猿払の秋に買っておくべきものリスト〜“備えの秋”が、安心の冬をつくる〜

北海道最北の村、猿払村。
長くて厳しい冬がやってくる前、9月から10月の「秋のうち」にやっておきたいのが、冬の暮らしの準備です。

道外から移住してきた方の多くが最初に驚くのが、冬の寒さそのものよりも「準備の多さ」や「備えの重要さ」
本格的な雪や氷点下の日々が始まると、物資の入手も手間がかかり、設置や工事も難しくなります。

この記事では、猿払村で冬を快適に、安心して迎えるために、秋のうちに用意しておきたいアイテムを、暮らしの場面ごとにご紹介します。
これから移住する方、1年目の冬を迎える方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

1.クルマまわりの備え ― 命を守る“足”の準備
◉冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)
まず最初に外せないのが「スタッドレスタイヤ」。
猿払村では例年雪が降る前の10月下旬から11月上旬にはタイヤ交換を済ませておくのが基本です。
早めに買っておかないと、在庫切れや納品の遅れ、交換予約が取れないなどの事態も。
☑︎ 地元の整備工場やガソリンスタンドで早めの予約を
☑︎ 新品はもちろん、中古も人気なのでリサーチを

◉バッテリー・エンジンスターター
氷点下の朝には、バッテリー上がりが日常茶飯事。
エンジンスターター(リモコン式の始動器)もあると安心。
室内からエンジンをかけて暖機しておけば、出発時にフロントガラスが凍っていないという快適さ。
☑︎ バッテリーは3〜5年ごとの交換が目安
☑︎ エンジンスターターは冬の強い味方。初めての冬におすすめ

2.暖房と燃料 ― 灯油と向き合う暮らし
◉灯油タンク(ホームタンク)と室内タンク
北海道の家の多くは、暖房・給湯に灯油を使います。
移住先の家にホームタンク(屋外の大型灯油タンク)がない場合は、設置工事を秋のうちに済ませることを強く推奨します。
☑︎ 設置には数万円+工事費が必要だが、配達灯油が使えるようになる
☑︎ 室内用タンクだけの場合は、都度購入に手間がかかることも

◉灯油配達の申込み
寒くなる前に、地域のガソリンスタンドや燃料会社に定期配送の申し込みをしておくのが安心。
猿払村では主にガソリンスタンドが家庭用の灯油配達を行っています。
☑︎ 配達スケジュールは週1〜2回が基本
☑︎ タンク残量はこまめにチェック。うっかり空焚きは故障の元に

3.雪とのたたかい ― 除雪機とスコップの世界
◉除雪機(除雪機械)
マイホームの駐車場や玄関周りに降り積もる雪を、自分で除雪するには限界があります。
積雪が多い猿払村では、小型〜中型の除雪機を所有している家庭も多く、雪の量によっては命綱のような存在に。
☑︎ 新品は20万〜50万円前後。中古も人気
☑︎ 設置場所・メンテナンス・燃料保管なども忘れずに

◉スノーダンプ、スコップ、スノーブラシ
小回りの効く除雪道具もマストアイテム。
車の上に積もった雪を払う「スノーブラシ」や、氷を割るための「アイスピック」なども地味に必須。
☑︎ ホームセンターで早めにチェック
☑︎ 雪質に合った形状を選ぶのがポイント

4.住まいの冬支度 ― 凍結防止と保温対策
◉水道凍結防止ヒーターの確認
気温がマイナス10度を下回る日もある猿払村では、水道管の凍結防止対策が必要不可欠です。
移住先の住宅に凍結防止ヒーターが設置されているかを確認し、古い場合は交換も検討を。
☑︎ 凍結すると修理費が高額になるため、未然の対策が重要
☑︎ 外気に面した水道管は特に注意

◉すきま風対策(断熱シート、カーテンなど)
古い住宅や空き家を再利用している場合、断熱性が不十分なことも多いです。
窓に貼る断熱シートや、厚手のカーテンなどで室内の保温力を上げましょう。

5. あると嬉しい+αの備え
停電時の備え(カセットガスストーブ、毛布、ランタン)
食料の備蓄(冷凍庫があると心強い)
車のトラブル対策(ブースターケーブル、けん引ロープ)

秋に備えることで、冬の暮らしが変わる――――
猿払村での冬の暮らしは、ただ厳しいだけではありません。
朝焼けに染まる白銀の景色、静寂につつまれる夜、家族で囲むぬくもりの食卓――そんな豊かさが、準備された暮らしの先に待っています。

「冬を不安に感じていたけれど、想像より穏やかだった」
多くの移住者がそう語ります。
それはきっと、村の人たちが“備えること”の大切さを知っているから。

ぜひ、秋のうちからひとつひとつ準備を整えて、あたたかく、安心な冬じたくを始めてみてください。